荃灣に誕生した新しいクリエイティブの拠点「The Mills」

今回紹介する建物は、荃灣(チュンワン)に新しく誕生したクリエイティブの拠点、「The Mills」です。

「The Mills」は、昔の繊維工場を全面改装し、地元のデザイン産業を支援するという目的のもと作られた複合文化施設。3つの建物からなる館内には、ギャラリー、ワークショップ、ショップ/飲食店などが入っています。

地元の大手企業が運営する文化施設

建物としては去年2018年の末に完成しましたが、ギャラリーとしての機能は今年3月に正式オープンしたばかり。最新のアートスポットです。

香港でアート・デザイン系の施設といえば、セントラルにある香港政府主導の「PMQ」を頭に浮かべる人も多いと思いますが、こちらは香港の地元企業、Nan Fung Group(南豊集団)が主体となって設立された施設。

南豊集団は、今では香港を代表する大手不動産企業の一つとして知られていますが(最近では、啓徳(カイタック)地区に日本円で約3200億円を投じて超高額の土地を購入したことがニュースになりました)、元々は繊維業を生業として始まった会社。

南豊集団の前身、南豊紡織会社の荃灣にあった繊維工場を再活用して作られたのが「The Mills」なのです。英語で「織り機」という意味と持つ「mill」がその名前に付けられたのも納得。

1950年代以降、荃灣は香港経済を支える繊維産業の中心地として栄えてきました。香港の繊維産業は1980年代にピークを迎え、その後は中国やアジア各国に生産の拠点が取って代わります。南豊の繊維工場は、2008年にその役目を終えます。

その後、荃灣にあった不要となった3つの工場を、計画から5年もの月日を費やし、日本円で約100億円もの費用をかけ、「The Mills」という新しい役目を与えられることとなったのです。

それでは、館内を散策してみましょう。