香港では教会もが不動産デベロッパー

香港の大きな企業は必ずと言っていいほど、不動産投資に力を入れています。香港の大富豪と呼ばれるような人たちも、ほとんどが不動産で財を成した人ばかり。

そんな不動産信仰(?)が根強い香港では、キリスト教を信仰するはずの教会までが不動産投資にうつつを抜かしています。

先日見たニュースによると、香港のアングリカン・チャーチ系の母体「香港聖公会」が、自身の持つセントラル地区の超一等地にある土地を、25階建ての病院に再開発する計画を進めていると、報じていました。

Untitled.001

問題の土地は、「ビショップハウス」という植民地時代の古い建物が残っている場所(上の写真)。1848年建立のこの建物は、もともと聖公会が運営する学校(香港の名門校St. Paul College)として建てられ、のちに教会の運営事務所などとして使用されてきました。

このLower Albert Road沿いは、向かいにあるフリンジクラブや外国記者クラブとともに、植民地時代の香港の街の姿が見られる素敵な一角。

Untitled.003
(参考写真)

にもかかわらず、新しく計画されている病院は、ガラス張りのバリバリ近代建築となる様子。

記事によると、教会までが不動産デベロッパーまがいのことをしている、布教活動よりも不動産運営の方が大事なのかと、非難めいた論調になっていました。

歴史的建造物や街並みの保全という観点からも、この計画が世間から非難されるのが容易に分かりそうなものです。

そもそも教会に、病院運営するノウハウや、このような大再開発を行う資金やプロジェクト管理能力があるのかなどの、疑問が浮かびます。

記事によると、費用面では、聖公会の4万人いる信者からの寄付やローンで賄えるとのこと。その上、聖公会は香港社会にとてつもないネットワークを有しており、信者の中には、医療業界の権威や政府の要人も含まれているとのこと。そのため、この計画を推し進める上で必要なコネや裏回しは十分すぎるほどあるそうです。

Untitled.002

さらに、この巨大な病院を建設する計画は、もともと現香港行政長官のキャリー・ラム女史が行政長官になる前にアドバイスしたことがきっかけだったとのこと。25階建ての高層ビルが、香港行政長官の官邸、Government Houseの隣の敷地に面しているといえども、彼女の後押しがあるのなら、怖いものなしですね。

しかしながら、このセントラル地区の一等地に、病院を建てる意味はあるのでしょうか。しかも、聖公会は病院をプライベートホスピタルとして運営するつもりでいるのだそうです。僕が想像する教会の姿、社会奉仕的な精神とはかけ離れているような。。。

あるデータによると、プライベートホスピタルの利用者は香港の人口15%程しかいないとのことです。さらに、近年、香港のプライベートホスピタルの利用者は、中国本土からメディカルツアーで訪れる人々も多いと聞きます。なんか、お金儲けの匂いがプンプンする〜。

同じ記事には、聖公会は2006年より33個もの不動産投資をしており、物件の資産額は日本円で65億円を超えるとも書いてありました。それらの物件の中には、ビショップハウス近辺にあるミッドレベルの高級マンションなども含まれています。聖公会の見解によると、それらはスタッフ用に購入したものとのこと。非常に怪しい〜。

さらにキナ臭いことに、香港聖公会には脱税疑惑もかけられています。それは2010年のこと。聖公会の保有する孤児院跡地を、香港の大手デベロッパー、長江グループとともに高級マンションとして再開発した時のこと。この再開発より、聖公会は60億円もの現金と、さらに120戸のアパートを無料で手に入れたのでした。この時に課されるはずの税金、なんと25億円が未払いのまま、最終的には控除されたのです。

教会がこれほど高額な不動産運用ビジネスをしているという驚きと、孤児院を高級マンションに再開発する自体が倫理的にどうなものかと。

記事の最後に紹介されていた、聖公会の運営委員が放った言葉がさらにゲスい。

「なんでうちら、聖公会ばかりが問題視されるんだ。ロマンカトリック系の教会や他の宗教団体だって不動産投資バンバンしてるじゃないか。」

皆しているから、自分もオッケーみたいな。なんだかなー。

「ビショップハウス」の敷地を再開発する計画は、終始、胡散臭さが溢れた話ではありますが、個人的には誰がお金儲けしようが構いません。建築ファンとして、この美しい風景を壊すさずに再開発をしてほしいと願うばかりです。