香港行政長官のお宅訪問

先日、香港行政長官のお宅、Government Houseを訪問してきました。

とは言っても、もちろん香港行政長官にお客として招かれたわけではありません〜。Government Houseでは一年に二回、オープンハウスと呼ばれるイベントが開催されており、建物が一般に公開されているのです。

こんな機会がないと、香港政府関係者や海外からの要人だけが入れるこの建物に足を踏み入れることはできません。せっかくなので、普段は厳重に閉ざされた塀の中をじっくり拝見させてもらいましょう〜!

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セントラル地区にあるGovernment Houseは、イギリス植民地時代には香港総督の、中国に返還されてからは香港行政長官の官邸として機能してきました。一階部分は政府の公式な行事や事務を行う広間などがあり、行政長官の自宅としての機能は二階部分にあります。

今回のオープンハウスで公開されたのは、庭園と一階の一部分のみ。見学順路が決めっており、そのルートに沿ってぞろぞろと敷地内を歩いていきます。全体的な流れとしては、北側にある裏門から敷地に入り、お庭を見学したのち、官邸の内部に入り、最後は南側の正門から退出。

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裏口から敷地内に入ります。このオープンハウスがこれほどまで香港市民に人気とは知りませんでした、、、いかんせん人が多くて、じっくり鑑賞できる状態ではなかったです。。。

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まずは官邸のお庭を見学。ポカポカ陽気なこの日、色とりどりの花が咲き誇っています。このオープンハウスのためにタイミングを合わせたかのように見事に満開です。

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子供連れやおばちゃまたちはお花と一緒に写真を撮るのが大好き〜。

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庭園の中心部には、とてもドラマチックな階段があります。これを登ると、官邸の裏庭に出ます。

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官邸の裏庭とこのファサードは正門から反対側にあるので、普段はお目にかかれない部分。

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北側テラスからの裏庭への眺め。ちょっとした丘の上に建物が建っているのに、目の前はセントラルの高層ビル群にブロックされ、眺望はなし。ていうか、官邸の中はビルから丸見え〜。

裏庭では生バンドの演奏が行われていたりと、オープンハウスは一大イベントのようです。

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いよいよ、裏庭から内部に侵入です!それにしてもすごい人の数!

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建物に入ってまず左手には、裏庭に面して大きなベランダスペースがあります。なんて立派な蘭の鉢植〜!コロニアルな雰囲気の中に、チャイニーズの要素がうまく組み合わされています。

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そして、反対側には、小さめのダイニングエリアが。奥には麻雀するのにぴったりなテーブルが〜。

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中に進み次にあるのが、大きな応接間。ゴージャスなシャンデリアが吊るしてありますが、それ以外は豪華絢爛というより、品のいい落ち着いた雰囲気があります。

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その反対側には、ダイニングエリアがあります。なんか中華レストランっぽい〜と思ったら、円テーブルがあるからか〜?

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さらに建物を進むと、白で統一された清々しいホールがあります。この日はホールにも生バンドが。右奥には自然光が気持ち良さそうな吹き抜けスペースがありますが、立ち入り禁止でした。

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内部のところどころに素敵な調度品や植物が飾ってあります。どれも貴重なものなのでしょうが全体的に品があって、嫌味がない、まるでペニンシュラホテルみたいなインテリアです。お金はあるけど、それを見せつけはしませんよ〜、みたいな感じ(?)。

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かつて香港が漁村だった頃を描いた蒔絵。今の香港の発展を誰が予想できたでしょうか〜。

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政府の要人などが官邸に招待された場合は、このホールスペースから中に入ります。中国と香港の国旗がお出向かい。

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ホールを抜けると、建物正面の車寄せ。以上で、官邸内部の見学終了です。もっと他の部屋も見させて〜と思いつつも、この人の多さだと、正直、早く外の空気が吸いたくなる〜。

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写真中央に見える白い建物は、1855年の官邸完成当初からあるオリジナルのゲートハウス。オープンハウスではない日でも、Upper Albert Road から外観を見学することができます。官邸自体もこのゲートの間から覗き見することができます。

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今回、Government Houseを訪問して面白かった発見は、Government Houseが代々住んできた総督や行政長官により、ちょっとずつ改築されてきたということ。元の建物は1850年代に建てられたので、現代風の生活を行うには機能面でのアップグレードは必要不可欠です。しかしそれだけではなく、建物の外観が大幅に改装されたり、住んでいる主人の趣味が建物に反映されたりと、大小様々なリノベが行われてきました。

建物が大きく変わったこととして、1890年代の初頭に新しくイーストウィングが増築されました。イーストウィングには大きな公式行事が開催できる大広間などの機能がが入っています。

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イーストウィングの増築で、元の建物の約2倍ほどに増築されました!

さらに、これ以上にインパクトのある改築が、戦時中に日本軍により行われました。純西洋式だった建物に、日本風の瓦屋根が〜、そして、建物の東側にタワーが付け加えられました〜。

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昔と現在の官邸の写真です。昔は平らな屋根で、ネオ・クラシック様式の建物だったようです。今とは全く、雰囲気が違います。現在の官邸は瓦屋根のせいで、どこかしら和風な感じがするのですね〜。

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右手に見えるタワーのデザインがとても個性的です。どこの国のどのスタイルとも判別できないような独特なスタイル〜。
日本軍占領時期には、2階部分には畳と障子の部屋もしつらえられたとのこと。戦後、イギリスの総督によりすっかり取り替えられて、今はありません〜。

その他には、庭のプールの形が変わったり、ボールルームのシャンデリアは第22代総督の奥さんがインド旅行から持ち帰ったものを使用したりと、かなり個人的な趣味でリノベされていったようです。香港が中国に返還される前の最後のイギリス総督は、中国を意識してか、中華的なエレメントをインテリアに追加したそうです。

香港が中国に返還されてからは、錦鯉が大変お好きな2代目行政長官が、鯉用の池を庭に付け加えたとのこと!そして現・行政長官、ケリー・ラム長官は約100万香港ドルを使って、テニスコートの傍に広場みたいのを作りました。これが、市民に不評で、税金の無駄遣いだの、色がやばいだの、いろいろ叩かれてましたね〜。

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このベンチと緑色の広場が新しく付け加えられたところ!確かに、地面の色がはてな?な感じ。

以上が、Government Houseのお宅訪問でした。
もっとじっくり隅々まで観察したかった〜というのが正直な感想ですが、セキュリティー上、難しいのでしょうね。Government Houseは香港政府のトップの住まいとして、香港色を全面に出すと思いきや、歴代の主人の趣味や時代背景を反映した折衷スタイルの建物でした。そもそも’香港色’とは、何なのでしょうか〜。確立した様式ではなく、時それぞれに流され順応していくのが香港流なのかもしれません。

次回のオープンハウスは、11月の下旬開催予定とのこと。詳しい日付は、香港政府のウェブサイトでチェックしてみてください。